アトピー性皮膚炎
症状
年代によって症状が現れる部位や皮疹に一定の傾向があります。
乳児期(~2歳)
生後2~6ヵ月頃より顔、首、頭部などの露出した部位に赤いじゅくじゅくした湿疹が現れます。1歳前後より次第に乾燥した湿疹に移行していきます
幼児期・学童期(2~12歳)
乳児期より顔の症状は軽くなり、首、わき、肘、膝に症状がでることが多いです。
思春期・成人期(13歳~)
上半身を中心に、とくに顔に湿疹が強くなる傾向があります。
アトピー性皮膚炎の影響
感染症
皮疹部やかき傷からウイルスや細菌が侵入します。
・カポジ水痘様発疹症:単純ヘルペス感染。顔首の広範囲に水疱ができ、高熱を伴います。
・伝染性膿痂疹(とびひ): 皮疹部の細菌感染により、水疱や黄色いカサブタができます。
・伝染性軟属腫(水いぼ): ウイルス性の小さな白いイボが多発します。
・蜂窩織炎: 掻き傷から細菌感染し、赤み、腫れ、痛みがでます。
眼の合併症
顔の症状が強い場合、目をこする・叩くなどの刺激が影響します。
・白内障: 水晶体が濁り、視力が低下します。10〜30代の若年層にも見られます。
・網膜剥離: 目を強くこする衝撃で網膜が剥がれる。視力障害のおそれがあります。
・結膜炎、眼瞼皮膚炎: 目のかゆみ、充血、まぶたの炎症。
・円錐角膜: 角膜が突出して視力が低下します。
アレルギー合併症(アレルギーマーチ)
他アレルギー疾患を併発しやすくなります。年齢により合併しやすい疾患が異なります。
・気管支喘息
・アレルギー性鼻炎・結膜炎
・食物アレルギー
その他
・ステロイド皮膚症: 治療の過程で、長期的な外用剤使用による副作用
・睡眠障害: 夜間のかゆみによる不眠、不眠による成長障害
・成長・発達への影響: 重症な乳幼児の場合、全身の炎症による影響
治療
スキンケア
清潔を保ち、皮膚の保湿・保護をするのが基本です。
・入浴温度は38~40℃とぬるめで短時間がおすすめ
高温、長時間だと乾燥や痒みが悪化します
・石鹸はよく泡立て、手で洗います。タオルは使用しません。
・乾燥の強い部位、冬の乾燥する季節には必要以上に石鹸を使わない。
・入浴後すぐに保湿をします。乾燥の強い時期は朝も保湿をしましょう。
悪化因子への対策
・汗をかいたら早めに優しくふき取る、洗い流す。
・衣服はごわごわした素材を避ける。
・掻いても傷をつけない様、爪は短くする。
・アレルゲンの検索(採血検査が可能です)
ダニ→布団やベッド、ソファ、じゅうたんなど掃除機を頻繁にかける
花粉→帰宅後すぐ着替える、洗顔、花粉用メガネ、マスク、花粉防護スプレー
病院での治療
塗り薬、紫外線、飲み薬、注射による治療があります
塗り薬
・ステロイド
・非ステロイド(プロトピック、コレクチム、モイゼルト、ブイタマー)
飲み薬
・抗ヒスタミン薬
・免疫抑制薬
紫外線治療
生物学的製剤(注射)
・デュピクセント
・アドトラーザ
・イブグリース
・ミチーガ
JAK阻害薬(飲み薬)
・リンヴォック
・サイバインコ
・オルミエント