酒さ(赤ら顔)
酒さは「赤ら顔」とも呼ばれ、顔面に生じる原因不明の慢性炎症性疾患です。中年以降の女性に多く、赤みの他、ニキビのようなぶつぶつがでることもあります。皮膚の症状に加え、ほてりやヒリヒリ感、かゆみを感じることもあります。
また、似た症状を示す疾患として「酒さ様皮膚炎」があります。こちらはステロイド外用で誘発されたり悪化したものをいいますが、治療法は酒さと同じです。
酒さは下記の4つのタイプに分類され、これらの病型が複数混在することがあります。
症状
- 紅斑毛細血管拡張型(第1度酒さ)
最も多いタイプ。毛細血管が開いて顔が赤くなります。赤みは一時的なこともあれば常時赤みがとれないこともあります。

- 丘疹膿疱型(第2度酒さ)
赤ら顔に加え、赤いぶつぶつ、膿を持ったぶつぶつがみられます。にきびに似ていますが、面皰がみられない点でにきびとは異なります。

- 鼻瘤(第3度酒さ)
男性に多いタイプ。丘疹が融合して腫瘤状となり皮膚が厚くなります。鼻にこのような症状が生じると、肥大し、毛孔が目立ちます。

-
眼型(眼合併症)
最も珍しいタイプ。多くは皮膚症状に合併し、眼の充血や瞼の炎症がみられ、痒みや乾燥、異物感、まぶしさがあります。

治療
保険治療
- ロゼックスゲル
赤いぶつぶつ、膿をもったぶつぶつに有効的で比較的早くに改善がみられます。赤みにも効果はありますが、限定的です。

-
抗菌剤の塗りぐすり
にきびにも有効なダラシン、アクアチム、ゼビアックスなどの抗菌剤の塗り薬が効くことがあります。
-
炎症効果のある抗生剤の飲み薬
ロキシスロマイシン、ドキシサイクリン、ミノサイクリンなどの抗生物質は菌を抑える効果に加え、炎症を抑えたり免疫を調整する作用があり、酒さに効果的であることがあります。ただし耐性菌のリスクがあるため短期間にとどめます。
- 漢方薬
漢方の内服が有効なことがあります。
自費治療
- アゼライン酸
アゼライン酸の外用も有効です。
当院ではロート製薬DRxのAZAクリア(アゼライン酸20%配合)を取り扱っております(1980円/本)。